「都会暮らしで緑に飢えている」なんて言葉を友人たちからよく聞きます。
会社のデスクに小さな観葉植物を置いている人たちもいます。
都会でなくてもコンクリートジャングルになってしまっている街がたくさんあります。
ですが、緑はどの街にもあります。東京にももちろんあります。街路樹だって立派な緑です。
では緑に飢えているとはどういうことなのでしょうか?
<緑とはなにか>
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緑とは色のことです。当たり前ですが、緑とは色を表すただの文字です。
ですから、緑に飢えているのなら、仕事場の壁の色を緑にしたらよいだけですし、
車の運転をよくするのであれば車の内装を緑に、
スマートフォンなど常に持ち歩くものを緑にすることだってできます。
ロビーや休憩所、食堂などで、緑色の木の壁画を最近の建物ではよく見かけますが、「緑への飢え」を和らげることが目的でしょう。
けれど「欲している緑」とはどこか違う。
そういうことではないからこそ飢えてしまうのでしょう。
その文字に何か特別な力を感じるからこそ、緑を求めるのです。
<緑とは何を指しているのか>
私たちが求めている緑は、もちろん色ではありません。その心理効果を求めているのです。
その心理効果は、その言葉がもつイメージから来ています。
くつろぎ、やすらぎ、安心
エコロジー、自然、森、生命、
再生、回復、
バランス、安寧
人類に共通するイメージではありませんが、日本人のだいたいの人はこのようなイメージを持つのではないでしょうか。
農家にとっては、夏の雑草の草刈りのイメージと合わさって「過剰な勢い」とあまりよくないイメージを持つ人もいると思います。
なんにせよ、緑に飢えているとはその言葉が持つイメージを求めているということです。
実際には心理効果を意識して緑を求める人は少ないと思います。緑を見るとなんとなく安らぐ、といった程度ではないでしょうか。
しかしその“なんとなく”が大事なのです。
意識的に緑を見て、「今私は目の疲れを癒している!!」なんてことをしても余計に疲れてしまいます。
<観葉植物の一歩先へ>
なぜか日常はのんびりできるようなものではありません。朝から晩まで働き詰めの人や家事に追われてしまう人。学校とアルバイトで毎日がどんどん過ぎてしまう人。
とにかく忙しい人が多い日本社会だと思います。
そんな人たちが緑の癒しを求めるときは観葉植物にいきがちです。あまり手入れのいらないものを特に好むのです。
水やりは1週間に一回。あとは日当たりのよい場所においておけばよい。
生活スタイルに合わせて観葉植物のようなものを選ぶことに僕は賛成です。
しかし今回は、その先に進んでみませんか?という提案です。
もちろん観葉植物を否定しているわけではありませんし、僕は大好きで家でも育てています。
教育的な見方と農家という立場からの提案です。
<栽培容易と言われている夏野菜はあえて避ける>
ナスやキュウリ、トマトやピーマン。
ナスだけとっても、長ナスや丸ナス、白ナスなどがあります。品種をみたらもっともっと種類があります。選ぶのがたのしくなってきてしまいます。
ですが、夏野菜の栽培を僕はおすすめしません。
それは、成りすぎたときに収穫が追い付かず、食べることも追いつかず、場所もとる。
結局はいろんな意味で「野菜を育てるのは大変だった」で終わってしまうからです。そうなってしまっては本末転倒です。
では何をおすすめするかというと、大雑把に言うと「夏野菜以外」です。
キャベツや白菜、法蓮草や水菜、葱やニラの葉物野菜と言われるものたちです。
<初めて野菜をちょこっと育てるときの野菜選びの優先順位>
今回の話しの始まりは、「緑の癒し効果」でした。
緑に飢えている。だから観葉植物を育てる。
でも収穫して食べることができるなら「癒し」プラス「うれしい」ですよね。
ですがもともと忙しい人が野菜栽培をするとなると「簡単お手軽」を優先してしまいがちです。
または、自分の好きな野菜。
ですがここで最優先にしてほしいことは、「導線に置ける場所の確保」です。
導線とは、日常で必ず通る場所。玄関先であったり、キッチン。もしくは勝手口かもしれません。必ずリビングでお茶の時間を取るという人はリビングでもよいです。
つまり、忙しい人にとって、普段行かない場所に野菜を植えてしまうと、その観察にひと手間かかってしまうことになります。
ですので、普段必ず通る場所に栽培スペースを確保してください。
そうすることで”わざわざ栽培している”という感覚がなくなるのです。
次に優先することは、ほとんどありません。
場所が決まったら野菜はおのずと決まってきます。
例えば、
玄関先だとして、その場所が日当たりがよければ、大抵の野菜が大丈夫ですが、日陰の場合は、日陰を好む野菜を探すのです。
「日陰を好む野菜」
というキーワードで調べてもすぐに出てきます。
優先順位の一番は「場所」です。
毎日通る場所に野菜を栽培することでその成長を毎日見ることができます。ちらっとでも見ることが大事なのです。
その一目が緑の持つ効果である「癒し」を与えてくれます。
たくさん育てる必要はありません。プランターに一つだけ水菜を育ててみるだけでよいのです。第一歩はそこからです。
もちろん失敗することもあると思います。そうなったらまたやり直してみたらいいのです。ちょこっとだけ何かを改善して種を蒔いてみるだけです。
家庭菜園ということばは大げさですので、食育と癒しを求めた
「ちょこっと菜園」とでも名付けて始めてみてはいかがでしょうか。
野菜を販売する人間が野菜栽培を勧めるのもおかしな話ですが、植物を育てることで得られる恩恵は誰にでもあってよいものです。
今回は忙しい人にも野菜栽培を始めれる第一歩としてアイディアを紹介してみました。
なにかのお役に立てれたらと思います。
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