「塩少々」と「塩ひとつまみ」の違いは職人技

 

僕は本当に頭があがらない人がいます。それは家事全般を任せられている主婦です。

特に毎日の食事を作っている人。
飽きさせず、健康的に、バランスよく、見栄えよく、腹八分目を目指して、なおかつ、次の日のご飯も考えて、もっと言えば一週間のレシピまで考えて、、、

そんな主婦を僕は尊敬しています。

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<「塩梅」を考える>

では主婦の方々は最初から僕が尊敬するような人たちだったのでしょうか?すみませんがそうは思いません。

「塩梅」という言葉があります。
「ちょうどよい具合」、という意味です。

塩と梅酢をまぜて加減の良い調味料を作ったことからこの言葉ができました。

この、ちょうどよい具合とは非常に難しく、一朝一夕で極めることはできません

例えば、
塩加減を考えてみます。

“塩少々”と”塩ひとつまみ”の違いはお分かりですか?
僕はわからなかったです。けれど主婦の方はわかります。それぞれ何グラムか、ということを知っているとかではないんです。

ちなみに、
塩少々は、親指と人差し指の2本の指でつまんだ量


塩少々
生活の知恵袋

塩ひとつまみは、親指と人差し指、中指の3本の指でつまんだ量

塩ひとつまみ

 

グラムで計ると、

塩少々は、0.3g
塩ひとつまみは、0.7g

この表現方法や数字を知っていても大きな意味はないんです。
主婦のすごさはこれらを知っている程度のことではないんです。

 

<主婦のすごさは「塩梅」を使い分けるところにある>

 

多い人は、一年間365日の食事を家族のために作ります。
そんな主婦がパスタを作るとき、
麺をゆでてお湯を切った後に、塩0.3gかければおいしくなる、
とか考えないですよね。

どうするかといえば、
パスタをゆでてお湯を切った後に、塩を少々かければおいしくなる、
と考えるんです。

つまり、冬につくるパスタと、夏のように汗をかく時期につくるパスタの塩加減が同じなわけないのです。

家族のために食事を作り始めたときは、辛いだの甘いだの言われたこともあったと思います。
けれど毎日の料理を作っているうちに作る人の味覚と食べる人の味覚が近づいてくるのです。
その家族にとってのベストの塩梅がわかってくるのです。
季節の違いや時間の違い、仕事から帰ってきた時の状態によっても塩梅は自然と変わっているのです。

 

<野菜栽培の世界に照らし合わせてみる>

 

野菜栽培の世界においては、主婦の方と似ていると思っています。特に個別契約で定期宅配をしている農家です。

例えるならば、
農協やスーパーに卸している農家は、料理屋さんです。
個別契約定期宅配をしている農家は、主婦です。

料理屋さんであれば、「その店の味」というものがあります。だから各料理人が勝手に塩梅を変えていいものではありません。

個別契約の農家の場合は、契約を交わした方に対して野菜を作ります。
多品目定期宅配の場合は、一年を通して満足を得られるように計画を立てます。彩り、ボリューム、根菜・果菜・葉菜のバランスなどです。

主婦の方々が家族を想って家事をするように、
個別契約で農業を営む人は、契約者の人を想って野菜づくりをしています。

僕も主婦の方々に負けじと「塩梅の感覚」を育てていきたいと思っています。

 

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