安全な野菜を求める人にとって、農薬は使われているか、肥料は動物性か植物性か、など気になることが多いと思います。
その中でも野菜にとって絶対必要な「水」についてはどれだけ意識しているでしょうか。
そのあたりの話しをしてみたいと思います。
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<野菜に必要な「水」とはH2Oのこと?>
「水」を化学式で表すと H2O です。Hが水素で、Oが酸素を表しています。
つまり水とは、水素を2つと酸素を1つ合わせたもののことです。
では野菜にとって必要な「水」はH2Oのことでしょうか?
少し違います。
野菜はなぜ水を必要とするかといえば、生長するためです。
その生長のために必要なものは、マグネシウムやカリウム、リンやイオウ、カルシウムなどなどです。
これらを私たちはミネラルと呼んでいます。
ミネラルが水に溶けたものがミネラルウォーターです。
つまり、野菜に必要な「水」とは「必要なミネラルが含まれている水」ということです。
<人間は危険な水を拒否することができるが、植物はできない!!>
(野菜を含めて)植物は、ミネラルを含んだ水を必要としていると言いました。
同じく人間もミネラルを必要とします。水に溶けている場合もあれば、塩のように固形物からミネラルを摂取することもあります。
では、人は危険な水だとわかっていたら飲むなんてことはしないですよね。
ヒ素が含まれていたり、発がん性のあるトリハロメタンが高濃度で含まれていたりする水だとわかっていたら飲まないですよね。
ですが、植物はどんな水でも条件さえそろえば吸収してしまうのです。
ここでいう条件とは、葉の気孔からの水分の蒸散がなければ根から水が取り込まれない、のような植物の活動の仕組みです。
硝酸態窒素の問題に対応するためには?という記事でも紹介しましたが、
植物は与えられた肥料をどんどん吸収してしまいます。
水に関しても一緒です。水が必要なときは、その水にどんな成分が含まれていようとも吸収してしまうのです。
そして、植物は、人間のような排出機能がありません。人間は尿や便、汗などによって排出することができます。
一説によれば、植物は余分なものを排出するために、虫を呼ぶと言われています。
虫を呼んで、余分な部分を食べてもらいます。そうすることで身体から余分なものを取り払い、バランスのよい状態にするといいます。
人間は虫食いの野菜を嫌う傾向がありますが、植物からしたら虫に食べさせることでバランスのよい健全な姿にしているといえます。
<バランスの良い水とは>
水道水には塩素が含まれています。それは人間が飲めるように一般細菌や大腸菌群などを殺菌するためです。
市販のミネラルウォーターやナチュラルウォーターは、湧水や地下水、深海水などをそれぞれ採水してきたものです。
一般的には、ミネラルウォーターは水道水よりもカルシウムが多いとされているそうです。
では植物にとってのバランスのよい水とは何でしょうか?
それは体を構成するのに必要なミネラルが入っている水なのですが、
どこで手に入るか、という話です。
それは奥深い森林の地下を通った水だと言われています。
木の少ない地下水では、雨が降った後に地中のミネラルを十分に含む間もなく流れていってしまいます。
木の多い森林の地下を通った水は、木の根っこが水を貯えることによって、急に下流に行くわけではなく、ゆっくりゆっくりと流れていきます。
それによってミネラルを十分に含むことができるのです。
<野菜にとってよい水とは>
野菜にとってよい水とはミネラルをバランスよく含み、不純物(植物には排出機能がないため)がない水、ということになります。
言ってしまえば、市販のミネラルウォータ―は水やりに適していると思います。
ですが畑にミネラルウォーターをやるなんてことはお金がいくらあっても足りないことだと思います。
野菜を栽培する人から考えたら、水やりをしたあとの野菜の表情や生長をみて、その水がよい水だったのかそうでないのかを判断することが最善だと思います。
野菜を買う人からみたら、不純物が濾過されている水を利用している畑の野菜を選んでみるとよいと思います。
森の近くの方がきれいな水であるように思いますが、森から離れた海の近くでも、水がきれいに濾過されている場所もあると思います。
野菜のことだけでなく、「みず」というものに少しでも興味を持ってくれたらと思います。
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