定期の契約で支えられているセット販売農家

商品を作って売る。そうすることで収入を得て生計をたてていきます。
その商品にはモノやサービス、情報といろいろあります。

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農業の場合は、まず挙げられるのが作物です。野菜や果樹、お米、加工品などなど。肥料や農薬、資材、機械。農業施設の建設もあります。
他には、機械の修理・メンテナンス、土地の斡旋。
種まきのオススメや現在の野菜の需要、来年の需要の予想などの情報。

このすべてにたくさんの人が関わって社会は回っています。

「人々が関わって社会が回っている」という言葉よりも、「支えあっている」という方が適しているかもしれません。

 

<生きる事と生かすこと>

 

畑と関わるようになって、生き物の世界で生きる事と生かすことを本当によく目にします。

植物一つをとってもわかります。自らを生き抜くためにみな必死です。

光を奪い合い、根圏を競い合い、養分を取り合い。

そうこうしているうちにバランスが取れてきます。光をたくさん採ることができた植物の陰で、別の植物は待っています。
何を待っているかというと、その植物の最期です。
どのような形であれ人生を全うした植物の最期を見届けて、次に自分が光を受けて生長するようになります。

 

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先に最期を遂げた植物はそこですべて終わりかといえばそうではありません。体内に蓄えた栄養を、自らの身体を土に還すことで他の植物の栄養にしているのです。

別の視点からみてみると、
植物は根と葉を通して養分の移動をしています。その方法は呼吸であったり光合成であったり、水の移動によるものだったりします。

その養分の移動によって集まってくる生き物がいます。虫や菌です。

植物の根に集まる菌は、根から栄養をもらいます。代わりに土の栄養を植物の根が吸収できる形に変えてあげます。
お互いが支え合って生きています

生きることと生かす事の両方とがあるとバランスがよく見える気がしています。

 

<生きているものと生かされているものは対等>

 

生きているものと生かされているものは対等です。なにも優劣はありません。植物と菌には優劣がある、といえないですよね?!
気づいていなかったとしてもどこかで必ず支えていて支えられています。だから優劣はないと思っています。

そんな風に考えている僕には、人間社会に違和感を持つことがあります。社長と社員であったり、男と女であったり。生産者と消費者も。

社長も社員も同じように働いています。一生懸命働いています。サラリーマンでお金を稼いでいる人とお金を稼いでいない家事従事者も対等です。お金で比較するからおかしくなってくるのです。
お金をたくさん扱う人が優位になっている気がします。

お金を支払う消費者が優位になっているのも変な気がします。
安ければ安いほどいい、という考えも同じです。

その逆もです。
立場を利用して価格を跳ね上げることも。

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社長も社員も支え合っています。外で働いている人も家事をしている人も支え合っています。消費者がいるから生産者が生活できる。生産者がいるから消費者がいる。

 

<支えられていることを大いに実感>

 

就農を無事に果たして、まず思うことは、野菜を買ってくれるひとへの感謝です。野菜を買ってくれる人がいるから僕に収入があります。

インターネットで契約のやりとりをしているので、豊田市だけではなく、遠く名古屋市の人も東京の人も大阪の人も契約をしてくれる人がいます。顔はわからず、名前しか知りませんがその人たちに支えられています。

では僕がその人たちに対して希少価値を掲げて膨大な価格を提示しているかと言えばそうではないと思っています。
日本の野山を守り維持する時間をつくり、人間らしい生活をするための収入や労働時間を計算し、そのうえで野菜の値段を設定しています。

その値段と野菜セットに納得してくれたお客さんに生かされています。

<定期宅配という選択>

 

販売方法にいろいろと悩みましたが、
自給的生活を根本に考えている僕は、年中いろんな旬の野菜を食べ続けることを目標にしていて、そしてせっかくなら同じような考えをもった人がお客さんになってほしいということで、多品目野菜の販売を決めました。

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また、天候によって、ダイコンが育ちやすい年だった、や、白菜が育ちにくい年だった、ということを考えると、「白菜絶対出荷します!」みたいな約束をせずに、その年に健全に育った野菜だけを出荷するようにしています。

「白菜ぜったい出荷します」なんて言って、白菜に不適な気候の年だったら大変です。

気候が変わることと並んで、その年ごとに野菜の収穫適期は変わってきます。なので「5月1日にキャベツがほしい」、と言われても困ってしまうわけです。「今年のキャベツは6月1日収穫が最適だな」ってこともあり得ます。

定期で販売するとは、その時の旬のものを食べてもらえるということです。
月に一回の定期宅配の人もいますが、食べることができない野菜もでてきます。枝豆なんてほんとうに旬の期間は短いのです。できることなら毎週、せめて隔週の契約が個人的におすすめです。

そんなわけで、旬の野菜を一年中食べてもらうために定期宅配にしているわけですが、もう一つ重要な点は、
定期宅配にすることで無駄な栽培を減らせるということです。無駄な栽培とは、余分に作るとか、余分な労働とかです。お客さんが定期で野菜をとってくれることで一年の計画を無駄なく立てることができるのです。

そうなることで僕の収入が安定します。

つまり、旬の野菜を一年を通して(5月から1月)食べたいと思うお客さんとつながることで、僕の労働と収入のバランスがとれて安心して農業に従事できるようになるのです。

こういった理由で僕は定期契約の野菜販売をすることにしました。

無農薬・有機野菜を食べたいお客さんのために僕は野菜を作り続ける。定期で契約してもらうことで僕は生かされる。

こんな理想を描いて日々を過ごしています。

ご希望のお客さまは
ご注文はこちら」
よりご注文ください。

これからの野菜生活に野良自然農園をどうぞよろしくお願いします。

 

 

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